古代地方官衙関係遺跡データベース

凡  例

●このデータベースは、次の<遺跡データ><文献データ><建物データ>から構成されており、これらは相互にリンクしています。
<遺跡データ>
 古代地方官衙遺跡や地方官衙・地方官人との関連などが考えられている遺跡について、その遺跡名・遺跡所在地・比定官衙名や遺跡の性格などを示した基本データ、該当する遺跡の種類を○で示した遺跡の種別、比定されている官衙の種類を○で示した官衙の種別、検出されている主な官衙遺構の種類を○で示した遺構の部、出土している官衙関係遺物の種類を○で示した遺物の部、から構成されています。

<文献データ>
 上記の各遺跡の発掘調査報告書など文献についての基本情報を収録しています。

<建物データ>
 上記の各遺跡で検出され全体像の判明している建物遺構(竪穴建物を除く)について、その構造や平面規模についての基礎的なデータを収録した基本データ、身舎部分の遺構についての詳細なデータを掲げた身舎データ、廂部分の遺構についての詳細なデータを示した廂データ、建物に付属している諸施設の種類やその遺構についての情報を示した付帯施設データ、から構成されています。

●上記の三つのデータの画面は、それぞれ次の<一覧(全体)表示画面><詳細検索画面><詳細画面>からなり、相互にリンクしています。
<一覧(全体)表示画面>
 それぞれ基本的なデータを一覧表で示した画面です。遺跡一覧は遺跡所在地の市町村コード順、文献一覧は市町村コード順+遺跡名順+発行年順、建物一覧は市町村コード順+遺跡名順+遺構番号順、に並んでいます。

<詳細検索画面>
 各データの詳細情報をフィールド指定で検索するための画面です。

<詳細画面>
 入力されているフィールド全体の記載内容を個々のデータごとに表示する画面です。

<遺跡データ>には遺跡所在地図、遺構配置図、遺構変遷図などの画像データを、<建物データ>には各建物ごとの遺構図などの画像データを適宜添付してあります。画像データは、各遺跡の発掘調査報告書などに所載の図面から抜粋し、一部改変したものです。図の詳細は、引用文献に掲載されている図でご確認ください。

●各フィールドの記載表記に関しては、下記の「フィールド記載の凡例」を参照して下さい。

●検索方法などこのデータベースの使い方については、「ご利用方法」をご覧ください。

●ここに収録した諸データは、地方公共団体等が刊行している発掘調査報告書などをもとにして、奈良文化財研究所埋蔵文化財センター遺跡調査技術研究室が作成したものです。

●各データの作成にあたっては、できるだけ原典に当って確認するよう努めましたが、実見できなかった文献も多く、データ記載の誤りや漏れ落ちている官衙遺跡・文献も少なくないと思われます。それらにつきましては、順次、補足・訂正いたしますので、お気づきの点がありましたら埋蔵文化財センター遺跡調査技術研究室までご連絡ください。


フィールド記載の凡例

●各データのうち、表記内容や属性の分類基準などの説明を要すると思われるフィールドについて、その詳細を記してあります。

●下記のフィールド名のボタンをクリックすると、そのフィールドの説明行にジャンプします。

●建物遺構や付帯施設などの諸属性についての記載内容や分類基準については、2003年3月に奈良文化財研究所が刊行した『古代の官衙遺跡 T遺構編』に準拠していますので、詳しくはそちらをご参照ください。

<遺跡データ>
【遺跡ID】 【遺跡名】 【ルビ】 【所在地】 【遺跡種類】 【国府】 【郡衙】 【郷家】 【その他の基部構造の建物】 【大型掘立柱建物】 【材木塀】 【その他の遮蔽施設】 【金属品生産】

<文献データ>
【文献ID】 【著者名】 【書名・雑誌名】

<建物データ>
【建物ID】 【遺構番号】 【遺構番号注】 【遺構期】 【建物の性格】 【方位】 【基部構造】 【建物形式】 【建物平面形】 【平面形式】 【廂形式分類】 【間数】 【身舎間数】 【総長】 【身舎総長】 【建物平面指数】 【桁行柱間】 【梁行柱間】 【妻側廂の出・平側廂の出】 【身舎柱間寸法平均値】 【平側廂の出率】 【メモ】 【総柱建物分類】 【門形式分類】 【床束建物分類】 【間仕切分類】 【棟持柱分類】 【身舎桁行柱筋の通り具合・率】 【身舎対向側柱筋の揃い具合・率】 【身舎掘方分類】 【身舎柱掘方形状・向き】 【中間値】 【身舎布掘り平面形状】 【身舎布掘り断面形状】 【身舎柱径】 【身舎柱根】 【木割】 【身舎掘立基礎固め】 【身舎柱抜取穴分類】 【身舎柱筋溝状遺構】 【礎石据付掘方形状】 【身舎基礎地業分類】 【廂柱配置】 【平側・入側対向側柱筋の揃い具合・率】 【付帯柱配置】 【付帯柱穴規模】 【総地業長・幅・深さ・面積】 【基壇築成】 【基壇外装】 【基壇高】 【基壇の出】 【版築有無】 【階段の分類】 【階段の出】 【階段の位置】 【階段築成】 【溝位置】 【溝護岸材質】 【軒の出・雨落溝距離】


<遺跡データ>
【遺跡ID】データベース作成者が各遺跡ごとに付けた固有の整理番号。同一遺跡で複数の遺跡名表記がある場合には、検索の便宜を考え、それぞれの遺跡名ごとに遺跡IDを付けた。

【遺跡名】同一遺跡で複数の遺跡名表記がある(複数の遺跡IDがある)場合には、代表的な遺跡名表記以外には、遺跡名冒頭に★印を付し、遺跡種類のフィールドに代表的な遺跡名の遺跡IDを記し、データはそちらを参照するよう指示した。

 遺跡名には、特定の遺跡名ではなく、総論全体、総論国府、総論郡衙、総論郷家、総論駅家、総論関、総論城柵、総論山城、総論津、総論牧、総論軍団、総論鋳銭司、総論ミヤケ、のように表記したものも存在する。これらは各種の地方官衙遺跡全般に論究した文献を検索する場合に利用されたい。

【ルビ】遺跡名の読み方。

【所在地】遺跡所在地。所在地が複数の市、町、村、字にわたる場合は、「○○町〜□□町」「○○・△△」のように表記した。

【遺跡種類】その遺跡の種類。官衙に比定されている遺跡の場合は官衙名や官衙の種類も示した。「○○.」とある表記はその比定が確かと判断されるもの、「□□か」の表記はその比定がまだ確定的ではないことを示す。複数の官衙比定がなされている場合、あるいは遺跡が複合的な性格を有するような場合は、「○○か□□」のように表記した。
 この遺跡種類の記載にあたっては、データベース作成者が明らかに誤りと判断したもの以外は、報告書などで推定されている説を尊重した。ただし、ここに掲げた官衙名等が必ずしも妥当とは限らず、官衙ではない場合もありうるので、最終的には出典を参照して判断されたい。

【国府】国ごとに置かれた役所とその周辺の市街地を含む。国衙・国庁と表記されている場合でもこのフィールドに○印を付した。

【郡衙】郡ごとに置かれた役所で、「郡家」と表記されている場合も郡衙の表記に統一した。

【郷家】郷ごとに独自の役所が置かれたとする説の場合の役所。「郷衙」「郷庁」と表記されている場合でも郷家の表記に統一した。ただし、郷長の家もこの郷家に含まれている場合があり得る。

【その他の基部構造の建物】掘立柱建物・礎石建物・竪穴建物などの基部構造に分類できないもの。掘立柱・礎石併用建物、壁建ち建物などを含む。

【大型掘立柱建物】桁行総長が10数メートル以上の規模をおよその目安として大型掘立柱建物とした。

【掘立柱塀・柵】通常、屋内空間を持つような建物の一部を構成せず、掘立柱柱穴が一列にだけ並ぶ遺構として捉えられるものを指す。

【材木塀】柵木とも表記される。東北城柵などにみられる角材や丸太材を密に立て並べて遮蔽施設を指す。

【その他の遮蔽施設】掘立柱塀、築地塀、材木塀、土塁などに含まれない遮蔽施設。掘立柱塀のように主たる柱を伴わず、板だけを立て並べた縦板塀、柴垣などを含む。築地回廊もこのフィールドに○印を付す。

【金属品生産】フイゴ羽口や金属滓など、金属製品の製作に伴う遺物を指す。




<文献データ>
【文献ID】データベース作成者が各文献ごとに付けた固有の整理番号。

【著者名】地方公共団体刊行の報告書などの場合、原則として編集あるいは刊行主体の団体名を記し、執筆者名は省略した。著者が多数にのぼる場合、最初の著者などを掲げ、それ以外は「ほか」として省略した。

【書名・雑誌名】論文名、雑誌名、報告書等のシリーズ名、報告書書名・副書名、巻号などを示す。



<建物データ>
 以下、検索の際、選択肢が現れるフィールドの場合、いずれも、「その他」は他の項目には該当しないもの、「不明」は記載や図面等が無くいずれかを判別できないもの、を指す。廂データの諸属性については、身舎データの各フィールド記載に準じる。

【建物ID】データベース作成者が建物遺構ごとに付けた固有の整理番号。

【遺構番号】原則として報告書等の記載の番号を掲載した。ただし、報告書等で建物1などと表記されている場合には、便宜的にSB1などと表記した例がある。

【遺構番号注】概報と報告書とで遺構番号が変更されている場合、調査区によって同じ遺構番号が付されている場合などに、遺構番号表記に関する注意事項を示した。

【遺構期】報告書などに示されている遺構の時期区分の表記を示した。

【建物性格】官衙などにおけるその建物の具体的な性格が判明している場合、それを記した。

【方位】国土方眼座標系の北あるいは真北に対する建物の方位を示した。○゜Eは○゜東に振れていること、○゜Wは○゜西に振れていることを示す。報告書に方位の記載の無い場合は省略した場合がある。東西棟の場合は、棟方向に対して直交する方位を示した。方位表示の基準が座標北か真北かは、それぞれの出典で確認されたい。

【基部構造】建物下部の基礎構造の分類。たとえば、壁建ちは、細い間柱や木舞などを立てて壁を造り、その壁で上部の小屋組を支えたとみられる構造を示す。

【建物形式】柱配置による建物の分類。
側柱建物;建物の外回りだけに柱を配する構造で、床束などを伴わない。廂付建物も側柱建物に含める。
総柱建物;建物内部にも外回りの柱穴(柱)と大きな差のない柱穴(柱)を配する建物。
床束建物;総柱建物と似るが、内部の柱が外側の柱より格段に小規模なもの。

【建物平面形】建物の平面形状。四隅の角度により方形、平行四辺形、台形などに分類。なお、台形の内で直交する一隅を有するものを直角台形として分類。また、六角形、八角形などの建物は多角形として分類した。

【平面形式】廂の有無、廂の形式、総柱建物の種類、などを示したもの。

【廂形式分類】身舎周りの廂の付く位置による分類。
片面(平側);一方の身舎平側に廂が付くもの。
片面(妻側);一方の身舎妻側に廂が付くもの。
二面(平側);身舎平側の両面に廂が付くもの。
二面(妻側);身舎妻側の両面に廂が付くもの。
二面(L字全面);身舎の妻側と平側のそれぞれ片面ずつにL字形状に一連の廂が付くもの。
二面(L字隅欠き);身舎の妻側と平側のそれぞれ片面ずつに別々に廂が付くもの。隅部分には廂が付かない。
三面(平+両妻);両妻側と片方の平側とにコの字状に一連の廂が付くもの。
三面(両平+妻);両平側と片方の妻側とにコの字状に一連の廂が付くもの。
三面(平+両妻の隅欠き);廂両妻側と片方の平側とに別々に廂が付くもの。隅部分には廂が付かない。
三面(両平+妻の隅欠き);廂両平側と片方の妻側とに別々に廂が付くもの。隅部分には廂が付かない。
四面(全面);身舎の四周に廂がめぐるもの。
四面(隅欠き);身舎各辺に別々に廂が付く。四隅部分には廂が付かない。
部分;平側の一部など、部分的に廂が付くもの。

【間数】廂を含めた桁行・梁行それぞれの間数。ただし、部分廂の間数はこれに含めない。

【身舎間数】身舎の桁行・梁行それぞれの間数。

【総長】廂を含めた桁行・梁行それぞれの全長。部分廂の付く建物に関しては、身舎の総長のみを記載してある。両端の柱(柱痕跡)の心々間距離にあたるが、原則として報告書など記載の数値を掲げた。柱位置が不明な場合は、柱掘方の心々距離が代用されている場合もある。o単位は四捨五入した。p単位の数値が記されていない場合は、○.00のように0表記して桁数を揃えたデータも含まれている。また、約○.○m、推定○.○mと記されている場合は( )内にその数値を示した。詳細は出典掲載の遺構図を参照されたい。

【身舎総長】身舎の桁行・梁行それぞれの全長。表記は総長に準じた。

【建物平面指数】梁行総長/桁行総長×100。

【桁行柱間】桁行の柱間寸法。隣り合う柱(柱痕跡)の心々間距離にあたるが、原則として報告書など記載の数値を掲げた。柱位置が不明な場合は、柱掘方の心々距離が代用されている場合もある。柱間によって寸法が異なる場合は、西または北の端間から○+○+○のように、数値を並べた。

【梁行柱間】梁行の柱間寸法。表記は桁行柱間寸法に準じた。

【妻側廂の出・平側廂の出】建物の妻側・平側それぞれに張り出す廂の出。北側もしくは西側の廂の出を@、南側もしくは東側の廂の出をAとした。

【身舎柱間寸法平均値】桁行・梁行それぞれの柱間寸法の平均値。身舎総長を間数で割ったもの。

【平側廂の出率】平側廂の出/身舎梁行柱間寸法平均値×100。ただし、両平側に廂が付く場合は平側廂の出Aを優先した。

【メモ】他の建物との先後関係、出土遺物等々、その建物に関する注意事項を記した。

【総柱建物分類】総柱の柱穴規模による分類。
内外柱穴同規模;外側の柱列の柱穴と内部の柱の柱穴が同規模のもの。
内部柱穴小規模(側通し柱);内部の柱穴が外側の柱列の柱穴より小規模で明確な差がみられるもの。側柱が小屋組を支える通し柱、内側の柱は束柱とされていた可能性がある。
全体小規模(50p以下、非高床);上記の総柱とは違って、中世の建物などによく見られるような全体に小規模な柱穴を伴い、床張りではあるが高床倉庫のような堅固な床とは考えがたいもの。

【門形式分類】柱配置による門の平面構造の分類。

【床束建物分類】床を支える小規模な柱である床束の柱位置による分類。
TA類(柱筋交点型、添束無し);平側・妻側の対向する位置にある各柱を結んだ交点位置に床束が配置されているもの(柱筋交点型)で、側柱や妻柱に接した位置にある添束は伴わないもの。
TB類(柱筋交点型、妻側添束有り);各柱筋交点に床束を配するとともに、妻側の柱内側に添束を配するもの。
TC類(柱筋交点型、平側添束有り);各柱筋交点に床束を配するとともに、平側の柱内側に添束を配するもの。
TD類(柱筋交点型、妻・平側添束有り);各柱筋交点に床束を配するとともに、平側・妻側の両方の柱内側に添束を配するもの。
UA類(梁行柱筋型、梁行3間棟通り);身舎梁行3間の建物で、梁行方向の各柱筋と棟通りとの交点にあたる位置に床束を配するもの。
UB類(梁行柱筋型、妻側柱中間通り);身舎梁行2間の建物で、妻側柱間の各中央の位置にあたる桁行方向と梁行方向の各柱筋との交点に床束を配すもの。
V類(桁行柱筋型);桁行方向の各柱筋には乗るが梁行方向の柱筋には乗らない位置に床束を配すもの。

【間仕切分類】建物内部を部屋分けする間仕切柱の位置による分類。
TA類(2間棟通り型);身舎梁行2間の建物で、棟通りに間仕切柱を設けるもの。
TB類(3間桁行柱筋型);身舎梁行3間の建物で、桁行方向の柱筋に乗る位置に2本の間仕切柱を対にして配するもの。
U類(3間非柱筋型);身舎梁行2間の建物で、一対の間仕切柱を両側柱側に寄せ、間仕切中央間を広く開けるもの。

【棟持柱分類】棟木を支える棟持柱の位置による分類。
屋外独立棟持柱;建物外部の離れた位置に棟持柱を立てたもの。
屋内棟持柱;建物内部に棟持柱が位置するもの。
近接棟持柱;妻側柱列に近接した外側の位置に棟持柱を立てたもの。
壁付棟持柱;妻側柱列上に配された棟持柱。

【身舎桁行柱筋の通り具合・率】身舎平側柱がどの程度直線上に並ぶかを示したもの。柱筋上に並ぶ柱痕跡(柱根)数/平側柱穴数。なお、柱痕跡(柱根)がわからない柱穴がある建物に関しては、不明とした。

【身舎対向側柱筋の揃い具合・率】梁行方向における相対する各対の側柱(対向側柱)の揃い具合を示したもの。対向側柱筋の揃う柱痕跡(柱根)数/対向側柱の対の数。なお、柱痕跡(柱根)がわからない柱穴がある建物に関しては、不明とした。

【身舎掘方分類】身舎の柱掘方の種類。
壺(坪)掘り;柱ごとに別々の掘方を伴うもの。
布掘り;複数の柱を立てるために連続して掘られた一つながりの柱掘方。
壺・布併用;上記の両種の柱掘方を混用しているもの。

【身舎柱掘方形状・向き】掘立柱建物における柱掘方の柱穴数を各々平面形状と向きに別けて表に示したもの。
直行;方形・長方形・楕円形を呈する柱掘方の辺が、建物の桁行・梁行方向にほぼ平行するもの。 
非直行;直行以外のもの。 
隅行;長方形・楕円形の柱掘方で、平側柱筋や妻側柱筋に交わる位置にある柱掘方の長辺が隅木の延びるような斜めの方向に向いているもの。 
面取;方形あるいは長方形の柱掘方で、長辺や建物隅の外側に位置する辺の向きが、上記の隅行き方向とは直行するような方向を向いているもの。 
円形・不整形・その他・L字形の形状の掘方に関しては、直行とも非直行とも表せないため形状のみの分類とした。
【中間値】一棟単位における掘方規模の中間値。

【身舎布掘り平面形状】身舎に伴う布掘り柱掘方の平面形状。
帯型;直線の溝状を呈するもので、布掘りの掘られている方向・位置によって細分される。 
長方形型;隣り合う2本の柱を立てるために長方形の柱掘方を掘っているもの。 
ロの字型;布掘り柱掘方をロの字状にめぐらしたもの。 
L字型;鍵の手に並ぶ3本以上の柱を建てるためにL字形に布掘りしたもの。 
コの字型;布掘り柱掘方をコの字状にめぐらしたもの。

【身舎布掘り断面形状】身舎に伴う布掘り柱掘方の縦断面の形状を示したもの。
T類(単純布掘り);溝状に単純に掘り下げたもの。 
U類(段掘り、布掘り+壺掘り);溝状に掘り下げた後、柱位置部分をさらに一段深く壺掘りするもの。 
V類(布掘り→壺掘り);溝状に掘り下げた後、一端埋め戻し、再度柱位置部分を壺掘りするもの。

【身舎柱径】身舎柱痕跡または柱根の径。

【身舎柱根】身舎の柱根の樹種や形状などの特徴を示す。

【木割】身舎柱径中間値/身舎桁行柱間寸法平均値×100。

【身舎掘立基礎固め】身舎に伴う掘立柱の根入れ部分に沈下防止などのために施した根固め方式。

【身舎柱抜取穴分類】身舎の掘立柱の抜取穴がどのような方向に掘られているかを示す。
柱筋方向;平側柱筋、あるいは妻側柱筋の方向に抜取穴が延びているもの。 
柱筋直交方向;柱筋に対して直交する方向、すなわち建物の外側あるいは内側方向に抜取穴が延びるもの。 
柱周囲;柱を周囲から円形状・不整円形状に掘り下げて抜き取るもの。 
不定方向;柱によって抜き取る方向が統一されていないもの。
切取穴;柱を完全に抜き取らず、柱周囲を少し掘り下げて柱根元の途中で切断しているもの。

【身舎柱筋溝状遺構】隣り合う柱と柱との間に掘られた細い溝状遺構がある場合、その溝状遺構の延び方によって分類したもの。
ロの字形;ロの字形状に並ぶ柱を繋ぐような形で掘られているもの。
2穴直列;隣り合う2本の柱を繋ぐように延びるもの。
多穴直列;直列に並ぶ3本以上の柱を繋ぐように延びるもの。
3穴L字形;L字形に並ぶ3本の柱を鍵の手に繋ぐように延びるもの。
多穴L字形;L字形に並ぶ4本以上の柱を鍵の手に繋ぐように延びるもの。

【礎石据付掘方形状】身舎の礎石を据え付けるために掘られた穴の平面形状。

【身舎基礎地業分類】身舎の礎石位置下部に施された基礎地業方式の分類。
TA類(盛土基壇のみ、掘込地業無し);基壇は伴うが礎石ごとの基礎地業を伴わないもの。 
TB類(無し);基壇も基礎地業も伴わないもの。 
TC類(総地業のみ);建物位置全体を掘りこんで地固めをする総地業を伴うが、基壇は伴わないもの。 
UA類(壺地業のみ);各礎石下ごとに壺(坪)掘り柱掘方のような掘り込みをして地固めをおこなう壺地業を伴うもの。 
UB類(総地業→壺地業);総地業をおこない、基壇築成のある段階で各礎石下に壺地業をしてから礎石を据えるもの。 
UC類(壺地業→基壇築成);総地業の後、基壇築成のある段階で壺地業をおこない、その上にさらに基壇築成をしてから礎石を据えるもの。 
VA類(布地業のみ);礎石列位置下方を布掘り柱掘方のように溝状に掘り下げて地固めする布地業を伴うもの。 
VB類(総地業→布地業);総地業をおこなった後、基壇築成のある段階で布地業をし、礎石を据えるもの。
WA類(総地業(基壇)→円丘盛土);総地業あるいは基壇築成の途中で礎石位置下方に土饅頭状の盛土をして搗き固める円丘状盛土地業をおこない、礎石を据えるもの。 
WB類(総地業(基壇)→壺地業→円丘盛土);総地業あるいは基壇築成の途中で礎石位置下方にまず壺地業をおこない、その上方に円丘状盛土地業を施した後に礎石を据えるもの。 
XA類(壺地業+総地業);壺地業し、さらに総地業・基壇築成をおこなってから礎石を据えるもの。 
XB類(布地業+総地業);布地業し、さらに総地業・基壇築成をおこなってから礎石を据えるもの。 
XC類(壺地業+布地業);壺地業し、さらに布地業・基壇築成をおこなってから礎石を据えるもの。

【廂柱配置】身舎の柱に対する廂の柱の位置関係を示したもの。
柱筋型;身舎の柱と柱筋を揃えた位置に廂の柱が整然と配置されているもの。
柱間中央型;身舎の柱間の中央外側にあたる位置に廂の柱が配置されているもの。
柱筋・柱間中央型;上記の柱筋と柱間中央との両方に廂の柱が配置されているもの。
不揃い型;身舎の柱と廂の柱との位置関係に規則性が認められず不揃いなもの。

【平側・入側対向側柱筋の揃い具合・率】隣り合う側柱列と入側柱列において、対向する各柱位置の揃い具合を示したもの。身舎対向側柱筋に準じる。

【付帯柱配置】縁・足場・軒支柱等、建物本体の周りに設けられた付帯柱と建物本体の側柱との位置関係を示す。
柱筋型;隣り合う付帯柱列と側柱列との間において、対向する柱の柱筋が揃っているもの。 
柱間中央型;側柱の柱間の中央外側の位置に付帯柱が配置されているもの。 
柱筋・柱間中央型;上記の柱筋型の位置と柱間中央型の位置との両方に付帯柱が配置されているもの。 
不揃い型;付帯柱と側柱との位置関係に規則性が認められないもの。

【付帯柱穴規模】建物本体の柱穴規模と比べた場合の付帯柱の柱穴規模を示す。

【総地業長・幅・深さ・面積】礎石建物位置を面的に掘り込んで地固めした総地業の規模。深さは現存する掘り込みの深さを示す。

【基壇築成】基壇の築成方法を示す。
盛土基壇;盛土して基壇を築成するもの。掘込地業を伴うものもある。
地山削り出し;周囲を削り込み地盤を削り出すことによって基壇の少なくとも基底部分が築成されるもの。掘込地業は伴わない。基壇上部には盛土する場合もある。

【基壇外装】基壇外装の仕方(外装材)の違いによる分類。

【基壇高】現存する基壇の高さ。

【基壇の出】側柱心と基壇端との距離。

【版築有無】基壇築成や掘込地業における版築技法採用の有無。

【階段の分類】階段の外装の仕方(外装材)の違いによる分類

【階段の出】基壇端と階段下端先端部との距離を示す。

【階段位置】階段が基壇のどの位置に設けられているかを示す。

【階段築成】階段と基壇との構築順序を示す。
基壇と一体;階段が基壇築成と一体的に造られているもの。
階段継ぎ足し;基壇を築成した後で、階段を継ぎ足すようにして造っているもの。

【溝位置】溝が建物外周のどこに設けられているかを示す。

【溝護岸材質】溝の護岸施設の材質を示す。

【軒の出・雨落溝距離】雨落溝の中心と側柱心との距離。